ちらほらと酸素カプセルののぼりを見かけます。酸素をとったら元気が出そうな気がしますか?運動選手が運動したあとに酸素吸引しているのをテレビで見たことがありますよね。最近は見たことない気がしますけど。
しかしその効果についてはまずありません。簡単に計測できるのですが、普通の人の動脈中の酸素飽和度は97-99%です。ほぼヘモグロビンが目一杯酸素を利用しているわけです。ですから周囲の酸素濃度が上がってもそれ以上吸収できないのです。
肺の病気があって酸素が吸収できない人、普段から酸素ボンベを持っていなければならない在宅酸素療法の患者さんには有効かもしれません。しかし24時間酸素が必要な患者さんを1時間だけ酸素カプセルに入れていてもしょうがないですよね。さらに酸素カプセルの中で気分が悪くなったりすると、病院でもないのにどうやって対応するのでしょうか?
高圧酸素療法は潜水病やガス壊疽といった恐ろしい病気に対して有効な治療法です。酸素カプセルの1.3気圧よりはるかに高い圧をかけて酸素を吸収させます。がっちりしたチャンバーに閉じ込めて治療するのですが、中でタバコをすって誘爆して亡くなる人もいるほどしんどい治療です。ちなみに広島市内にはなく、港町呉にあるはずです。